前回に引き続き、祖母とお金のお話です。

父方の祖母は、私が小学生になった頃に亡くなりました。

一緒に過ごした記憶は、ほとんどありません。

祖母の貴重な現金収入を振り返る

この内容は、私の母からの伝聞が元になっています。

すでに失われた祖母(父方)の人生のかけらを、ここに残しておきます。

祖母(父方)は農家の主婦だった

父の母親は、隣接する地域から嫁いできました。
昭和初期の出来事です。

時は流れ、私の父母が結婚。
実家で同居していた時期がありました。

私と祖母の触れ合いは、ほとんど記憶にありません。

親族の中では、一番早く亡くなってしまいました。

自由に使えるお金がない

昭和初期、農家に嫁いだ祖母の生活は楽ではなかったようです。

農業と家事全般で、毎日が過ぎていったと想像します。

自分のお金がない事がつらかったという話は、つい最近母から聞きました。

当時、兼業主婦として活動する生活は一般的でなく、祖母個人には収入がありませんでした。

ウサギの養殖が収入源になる

ある日、実家で野ウサギが捕獲されたそうです。
捕まえた当日は、風呂桶に入れておいたとか。

どういう展開か、祖母はウサギを繁殖する事になりました。

地元で同様の活動をしている方がいて、購入していく業者もいたようです。
買い取られたウサギの用途は、実験対象と思われます。

農業・家事をしながらでも、ウサギの養殖活動は可能でした。

これにより祖母は自分の現金収入を獲得することが出来たのです。

なぜ自分のお金が欲しかったのか

専業主婦という立場では、少額の出費も家計から引き出すことになる。

農家の嫁として、肩身の狭い思いがあっただろうと思います。

自分の意思を実現するために、干渉されないお金が必要だった。

身だしなみの化粧品、孫へのお小遣いなど、自分の望むように使えるお金はどれほど貴重だったか...

何も知らない孫たちは、ウサギを飼育箱から出しては遊んでいました。

扱いが雑だったので、死んでしまったウサギがいます。

ところが祖母が怒ったり、叱られたりした記憶はありません。

一生懸命育てていた、収入源になるウサギが死んでしまって落胆したはずです。

それでも、孫のために黙っていたのでしょう。




人生を終えるには早すぎた

祖母は60歳台で世を去りました。
親族の祖父母の中で、最初に亡くなってしまいました。

孫の私からしても、短い人生だと思います。

どのような人生を生きてきたのか、本人に聞くことはできません。

苦難を投げ出さず、乗り越える努力をしてきた事実だけが残されました。

ふたりの祖母を思い出すとき

私は定職に就いて、安定した収入を得る日々を過ごしています。

働くことに飽きた。給料が安くて面白くない。などとは安易に口にしません。

金銭は容易に得られず、粗雑に扱えば霧散する。

先祖の生き様を無駄にせず、豊かさを求めていきます。

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